9月のおもと -2-

繁殖

─株分け(割り子)─

春から夏にかけて親株のわきから出た子株を切りとって、新しい苗をつくる方法です。

【適期】北海道、東北地方の寒い地域では、9月下旬から10月中旬まで、関東地方以西で
は9月下旬から10月いっぱいが適期です。

【株分けできるもの】子株を離す前に、どのような株に育てるかを考える必要があります。

大葉種、中葉に多い薄葉系の品種は株立ちにしても、十分葉姿がととのい、観賞価値がありますが、小葉の羅紗系統の品種は、株立ちにすると、姿が乱れて品種の特性がうすれてしまうので株分けをします。子がついても、姿がよいものは春までおいてもおきます。

大葉種、中葉種のもので、株分けするかどうかは、株分けをしないでにぎやかな葉姿を楽しむか、株分けし、株をふやして楽しむかにあるといえます。いずれにしても葉姿を乱すような子株は分けたほうがよいでしょう。

【株分けできる大きさ】子株が親株の首もとから出ている上子の場合は、根がないか、あっても1、2本のときは、来春あるいは来秋まで株分けを延ばしたほうがよいでしょう。親株の力で大きくなってきているし、傷口も大きくなりますので、切り離してしまうと来春からの成長力がなくなり、1年間は前年の葉よりも小さくなるのがふつうです。

【下子の場合】親株の芋の下のほうから出ている下子は、自分の力で大きくなっているので、根が1本しかなくても、切り離してさしつかえありません。翌年の春からの成長力も十分あり、初年の葉よりも大きい葉が出てきます。

【用具】株を分けるためには、薄刃でよく切れるランセットというナイフが必要です。

【方法】
・根が少ない場合そのまま植えると葉が大きく不安定なため、活着が遅れます。首もとに桑炭や竹などで支柱をするとよいでしょう。
根が細いものの植えつけ方に準じます。

【根がないがどうしても株分けしたい場合】根の出ていない下子でも、親芋が長く、余裕のある場合は、親芋を子につけて切り分ける台切りという方法で分けられます。しかし、親芋にある芽当たりの子吹きが悪くなります。

【株分けのポイント】
(1)ランセットで根を傷つけないようにする。
(2)切るときは、親芋をえぐる感じで切りとること。まっすぐ縦に切りおろすと子の芋が切れて少なくなってしまい、力が弱くなる。

【株分け後の管理】7−10日ぐらいは日陰に置き、1日1回、朝のうちに抜き水を行います。その後、徐々に日にならし、一般の管理に移します。秋の施肥は不要です。

─芋切り─

行いません。

【芋吹き苗】中旬から10月までの間に植え替えます。植え替え後は、一般のオモトの管理に準じます。
仮植えの株は本植えにします。

【芋吹き苗の親芋の扱い】親芋は数年ついています。自然に落ちるまでつけておきます。

しかし、芋抜けといって、春に切った芋が秋までにとれてしまうことがあります。その場合は、苗に自力がありますから、来春からの成長はよいものです。
芋抜けは親芋が抜け殻のようになって、溶けるように苗から離れてしまうもので、とれた後は薄茶色の健康な木地色になっています。


病気と害虫の対策

殺虫剤のスミチオン1000倍液か、マラソン1000倍液や殺菌剤のベンレート1000倍液などを、各1回散布します。


今月入手したら

芋吹き苗の、1年ものが多く店に出てきます。根巻きものでも、鉢植えものでも、すぐに芋や根をよく見て植え替えましょう。
植え替え後の管理は一般の管理に準じます。

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※本稿は、(有)三光園社長、榊原八朗様のご厚意で、
氏の著作「NHK趣味の園芸・作業12か月/オモト」(日本放送出版協会)を
もとに作成しております。